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138話

「南風のみが旧き知り合い、こっそりと扉を開け、書を繰る」

その後十日の間、正月も早や十五日に近づき、靖王府前の兵士は増えこそすれ、減ることはなかった。あの日、萧之晏が引き返して見れば、方言が江山を指差す威厳を見せ、狗蛋の遺体を筵で包んで後ろの山の斜面に捨てるよう命じていた。

雨がしとしとと降る中、之晏は泥地に転び、顔中が泥で猫のような模様になった。彼はよろよろと進み、遠くから後をついていくだけだった。兵士たちが嫌そうに鼻を押さえ、唾を吐き、「縁起が悪い」と言うのを見ていた。二人は相談し、狗蛋の遺体を斜面の下に放り投げると、悪態をつきながら立ち去った。

之晏はその場に立ち尽くし、しばらくし...