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130話

承徳殿から出てきた時、之晏は頭を垂れていた。萧晔が自分のためを思ってのことだとわかっていても、心の中では納得がいかなかった。萧晔は彼の考えていることを見透かしたかのように、再び彼の髪を撫でた。「罪を確定させることは萧府にとって利にならない。気に病む必要はない」

之晏はぼそぼそと何か言ったが、どう返事をすればいいのかわからなかった。萧子遇がその後ろから出てきて、ちょうど階段を降りたところで萧晔と之晏が近くに立っているのを見て、思わず近づいてきた。

之晏は背中の傷のせいで腰に手を当て、ぎこちなく立っていた。萧子遇は萧晔の前まで歩み寄り、拱手の礼をして言った。「太傅、一緒に宮を出られますか?」之...