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118話

萧子遇は朱颜の言葉に答えず、ただ側にいる兵士に合図し、自分が去った後、この囚人をしっかり世話するよう示した。

「恒王殿下、ご存知でしょう。萧之晏は萧晔を牢に送ろうとしていた。これはすべて彼の仕組んだ罠なのです。こんな小人を助けるおつもりですか!」

朱颜は顔を上げて叫んだが、萧子遇の足取りは止まらず、一歩一歩、萧之晏を引きずるようにして支えながら外へと歩み去った。

なぜ彼を助けるのだろう?特に親しい間柄でもないのに。だが今日、彼が自分の屋敷に食事を求めてきた時、膝をついて地面に跪いた、あの瞬間。

仇敵か、親族か、その間で苦しみもがく彼は、ただ真実を知りたいだけなのだ。

萧之晏が力強く言...