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698話

「誰だってやるのは同じじゃない?」

外から人影がちらついて、目をやると大劉がそそくさと遠ざかっていくところだった。おそらく開いていた扉を見て覗きに来たものの、怒られるのが怖くなったのだろう。肖蘭はふと思いつき、声をかけた。「大劉、こっちに来なさい」

大劉は振り返り、気まずそうな表情で口ごもった。「蘭姉さん、僕、わざとじゃなくて、泥棒かと思って、午後はいつも来ないから…」

「私が怖いの?」肖蘭は不機嫌そうに言った。「普通にしなさいよ。そんなにうろうろして後ろめたそうにしないで。入って」

「僕、あの…」大劉はおずおずと中に入ると、肖蘭に扉を閉めるよう言われ、彼女の表情を窺ったが冗談を言ってい...