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676話

あの巡視員は牛さんという姓で、まだ二十歳にもなっていない。前回の台風で大雨が降った時、車が溝に流されてしまった事故では、彼が真っ先に発見して自ら他の人を呼んで助けを求めてくれた。ただ、彼は通常午後から勤務なので、会う機会はあまり多くない。

「車は大丈夫だよ、大劉ありがとう」肖蘭は彼にきちんとお礼を言っていなかったことを思い出し、急いで彼を招き入れた。「外は日差しが強いから、大劉、ちょっと入って休んでいきなよ。水もあるよ」

「いえ、大丈夫です。山林をもう少し巡回しないと」

「そんなに急ぐことないでしょう。汗だくじゃない。扇風機の風にあたっていきなよ」

大劉はしばらく躊躇してから、家に入っ...