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624話

突然、目の前に生き生きとした肉体が立っていると、平静を保つことなど不可能だ。長年眠っていた欲望が呼び覚まされる。彼は普段、そういった方面のことを考えないようにしているが、抑圧すればするほど、爆発しやすくなるものだ。

幸い相手は客人だったので、正当な事に意識を向けることで何とか落ち着くことができた。だから彼は動揺せずに入浴を済ませ、立ち上がりもしなかった。かつて呉秀麗のセクシーな姿を見て自制できなくなったこととは違う。

風呂から出ると、ソファに座っている小雪に礼儀正しく一声かけ、視線をそらさずに部屋へ戻ろうとした。だが彼女が「おじさん、ちょっと座ってお話しませんか?いくつか質問があるんです」...