危険な喜び

91話

「何しに来た？」趙竟は不機嫌そうに言った。

趙弘陽は心中穏やかではなく、林讓を睨みつけながら憎々しげに言った。「虎さんが会いたいと言ってる」

「いつだ？」

「一時間後だ」

「わかった、お前は行かなくていい」趙竟は趙弘陽を一瞥して尋ねた。「お前がオメガを引き取ったと聞いたが、どこにいる？」

趙弘陽は「ああ」と答えた。「お父さんがここにいるとは知らなかった。彼が怖がるといけないから」

「ほう」趙竟は嘲笑いながら、抱えていた月下香の花の香りを嗅いだ。「以前はあんなに林讓に夢中だったのに、彼が怖がるなんて言うのは初めて聞いたな」

父子は皮肉な会話を交わした後、趙竟が立ち上がろうとすると、林讓が彼の足元...