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71話

「ピンポーン」とドアベルが鳴り、外から声が聞こえた。「大将、陸警官が来ましたよ。結構な大人数です」

「分かった、すぐ行く」と虎は応じた。彼は腕の中のオメガに異変を感じ、林譲の耳に愛しげに口づけをした。「俺が忙しいのが終わったらすぐ戻ってくるから、おとなしくしていろよ。どこにも行くなよ」

彼の言葉がかえって林譲に逃げ出したい気持ちを起こさせた。この間、虎はこの場所について林譲に説明することなど気にも留めていなかった。それどころか、この一室以外にも、虎はこのクラブのあらゆる場所で林譲を抱きたがっていたのだ。

虎は名残惜しそうに林譲から離れた。彼は林譲を見つめる様子は、まるで瀕死の小ネズミを捕...