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37話

しかし彼の言葉を喻少裴は信じなかった。林讓はあれほど自分を好きで、あれほど高慢な性格なのに自分のためなら柔らかくなる。そんな人間がどうして「好きではない」と言えば本当に好きでなくなるというのか?

そう、三年。再び彼に会い、再び彼を手に入れた。彼はまだあの香りを漂わせているのに、しかし今や欠けたものだらけだった。

「ピン」

スマホの画面が明るくなり、メール受信を知らせた。喻少裴はちらりと目を通すと、画面を消した。

喻少裴は林讓が今苦しんでいることを知っていた。だが彼はなお一切のフェロモンを放出しなかった。林讓は今は目が見えないから自分だと分からないだけで、フェロモンを出せば必ず気づくはず...