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95話

林夏の住むマンションに着くと、彼女がすでに入り口で私を待っていた。今夜の彼女は少し趣向を変えていて、黒のワンピースに身を包み、すらりとした脚にはうっすらとしたストッキングを履いていた。林夏がストッキングを履くのを見るのは初めてで、思わず目が飛び出るほど驚いた。

林夏は嬉しそうに私の前でくるりと一回転して、「今日買ったばかりの新しい服なんだけど、どう?似合ってる?」と尋ねてきた。

「似合ってるよ、もちろん似合ってる。俺の彼女が似合わないわけないじゃん」急いで答えたが、なぜだかストッキング姿の彼女を見ると、妙な衝動に駆られた。

映画館は市内にしかなく、時間もまだ早かったので二人でバスに乗って...