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77話

以前は林夏と手をつないだり、キスをしたりしたこともあったが、最初の数回は緊張したものの、その後はこのような感覚を覚えることはなかった。だが、なぜか今は特に緊張していた。林夏と同じように。これは今の環境とも関係があるのだろう。緊張だけでなく、少し興奮もしていたからだ。

「何するつもり?」林夏の声は少し慌てていた。彼女は私が何をしようとしているのかわかっているはずだ。こう聞くのは完全に緊張からで、顔は真っ赤になっていた。

「嫁さん、愛してるよ」林夏の目をじっと見つめながら、思わず言った。

「上手いこと言って」林夏は赤い顔を横に向けた。でも、彼女の表情を見ると、やはり嬉しそうだった。

この瞬...