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63話

手を出す時はほとんど俺たちの出番じゃなかった。坊主頭が一声叫ぶと十数人が飛びかかり、数分もしないうちにタトゥーの男たちは地面に転がって唸っていた。頭から血を流しながら。

張明が前に出てタトゥーの男を一蹴りして、今後あんな横柄な態度を取るなと警告した。それでこの件は終わりだ。坊主頭たちはここに長居すれば警察が面倒を起こしに来るのを恐れたのか、張明に一声かけて立ち去った。

俺は手を出さなかったが、周りの人たちが俺たちを敬遠するような目で見ているのが、なんだか気分良かった。面目が立つというか。なるほど、学校のあのバカどもが目立ちたがるわけだ。威張る感じってこんなに気持ちいいんだな。あれ、ってこと...