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480話

彼女のそのもたもたした様子を見て、これは彼女らしくないなと思い、私は不思議そうに尋ねた。「あの、何?先輩、結局何が言いたいの?」

彼女は少し変わった表情をして言った。「言いたかったのは、今回のことはあなたのおかげよ、ありがとう」

最後の言葉を口にする時、彼女の声はとても小さくなった。私は一瞬固まった。あんなにもごもごしていたのは、この二文字を言うためだったのか。でも、言葉を惜しむことで有名な唐夢芸からこの言葉が出るなんて確かに珍しい。だから思わず心の中で笑って、冗談めかして言った。「先輩、これ人生で初めて言った言葉じゃないですか?」

彼女は私を睨みつけて黙り込んだ。私は口をへの字にして、...