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461話

動きが素早く、鄭嵩は跳び上がって半回転し、もう一蹴りを師姐の体に入れた。師姐はドンという音とともに甲板に倒れ込み、腕から鮮血が流れ出して船板に滴り落ちた。

「師姐!」私は思わず心配そうに叫んだ。まさかこの鄭嵩がこれほど強いとは、唐夢芸でさえ彼の相手ではないとは。

おそらく武道を修めた者の習性なのだろう、相手の命を奪うチャンスがあれば逃さない。誰も反応する間もないほどの速さで、彼はまたたく間に唐夢芸の前に現れ、再び刀を振り上げた。

あっという間の出来事だった。唐夢芸がとても反応できるような状況ではなく、鄭嵩の湾刀はすでに空中に振り下ろされていた。だが何故か、この一撃で唐夢芸の命を奪えるはず...