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390話

「これは普通の囚人じゃない」これが俺の第一印象だった。いや、囚人ですらないかもしれない。俺だって刑務所に入ったことがあるが、囚人なら誰だってスキンヘッドにするものだろう?俺みたいな未決囚でもない限り。

だが目の前にいるこいつらは、坊主頭は二人だけで、他はみんな短い刈り上げ髪だ。そして彼らから漂う気配は、危険信号とでも言うべきものを発していた。だから部屋に入るなり、俺は内心で警戒レベルを上げた。

こんな状況では、大熊が俺を刑務所に送り込んだだけじゃ済まないだろう。ここにいる以上、常に警戒を怠るわけにはいかない。

看守が扉を閉めると、「おとなしくしてろよ、トラブル起こすなよ!」と一言残した。...