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277話

「二日目に目が覚めたばかりのところで、熊から電話がかかってきた。大丈夫かって聞かれたから、何事もないよ、どうしたのって答えたら、何もなければ俺のところまで来てくれないか、ちょっと手伝ってほしいことがあるんだ、と言うんだ。

一瞬、何を頼まれるんだろうと思ったけど、特に予定もなかったから承諾した。

熊の会社は前に一度行ったことがある。場所は変わっていなかったが、タクシーで着いてみて初めて知ったんだ。熊がこのフロア全体を借り切っていて、社員も最初の二十数人から百人近くまで拡大していたことを。これには驚いた。熊がこんなに大きな会社にまでしていたなんて。

入ろうとしたところ、受付の女性に止められた...