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99話

白雪の妖艶さは紫舒とは異なる。紫舒はどちらかというと好色だが率直なタイプの少女だが、白雪はその正反対で、計算高く内に秘めた思いがありながらも、それを直接表現しないタイプだ。

例えば楊羽に対する態度を見ても、紫舒は直接的に楊先生を茶化すのに対し、白雪はそうではない。彼女は魅惑的な眼差しと無邪気な表情で楊羽に色仕掛けをするだけだ。

楊羽はよくそれに全身がしびれるほど参ってしまう。紫舒が肉体的に早熟なら、白雪は精神的に早熟であり、しかも完全に熟し切っている。

「楊先生、どうかしましたか?」白雪は本を抱え、カバンさえ背負わず、か弱げな様子で楊羽を見つめた。楊羽はその視線に鳥肌が立った。

「先生...