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989話

「何を恐れているの？食べたりしないわよ」

可児は意地悪な表情を見せ、その表情に楊羽は恐怖を感じた。可児の片手がすでに楊羽の肩に伸び、指先が楊羽の胸筋を滑っていく。しかし楊羽が感じたのは快感ではなく、一筋の冷たさだった。

この感覚は、まるで死体に撫でられているようだった。

冷たく、陰気で、骨身に沁みる。

貞子のような女性の霊が背筋を凍らせるものなら、この可児という表面上は美しい女の霊は、さらに心の奥底から恐怖を呼び起こすものだった。

可児はすでに楊羽の上に覆いかぶさっていた。胸も冷たく、そのまま楊羽の胸に押し当てられている。弾力のある胸だが、温もりはない。可児が唇を楊羽の頬に寄せると、楊羽は顔を...