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936話

「董おばさんは、この夜本当に夢心地で昇天したわね。これは女として長年生きてきて初めて味わったような快楽だった。

何度も何度も彼女の肉体は征服されていった。

夜は更け、灯りは消えていた。

寝室はベランダに面していて、窓は閉めておらず、そよ風がベッドの上の男女を撫でていた。女は男の胸に柔らかく伏せ、高潮の余韻から漸く立ち直りつつあり、二人とも汗びっしょりだったが、この汗で互いの体が張り付くような感覚を心地よく感じていた。

「あなたのこと、私が何とかしてあげるわ。董おばさんがあなたを上流社会に引き入れてあげる。時間があったら娘とも付き合ってあげて。彼女はお父さんに厳しく育てられすぎたから、あなたのよ...