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898話

郷の書記は考えていた。村の中で携帯電話を使っている人なんて、片手で数えるほどしかいない。何のために電波塔なんか建てるのか。もし中国移動が同意しなかったら、お金を出さなければならないし、利益は得られないどころか、損をするかもしれない。そんなの割に合わないだろう。

しかし、楊羽はまるでこの上司の考えを見透かしたかのように、さらに説得を続けた。

「実は、親族との連絡はほんの一つの理由に過ぎないんです。最大の理由は実は豊かになるためなんです。注文や配送、決済など、すべて外部との連絡が必要です。例えば何員外さんの魚、あれだけ良い品なのに、注文を受けるのに一本の電話で済むところを、公衆電話を使わなけれ...