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835話

黒白の世界、腐敗の臭い、赤い月明かり——これは、あの夜お化け屋敷の裏庭で見た黒い森の光景ではないか?そのとき、蘇小小もそこにいたのだ。

楊羽の頭の中で何かが弾けた。

とりあえず、こんなごちゃごちゃしたことは置いておこう。燕霊が自分を見ているのに気づいて、挨拶しに行くのが当然だ。

「今夜、お祈りの集まりがあるの?でも来るの早すぎじゃない?太陽もまだ沈んでないのに」楊羽は尋ねた。今日は水曜日で、水曜の夜はキリスト教徒たちが集まって祈りをささげる日だということを思い出した。

「違うわ、あなたを待っていたの」燕霊は笑いながら答えた。

「僕を?」楊羽は驚いた。僕を待つにしても、ここで待つ理由は?...