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796話

「蘇小小、なんでここにいるの?」楊羽はあまりの驚きに言葉を失った。なんということだ、どうしてこんな場所で超絶美女の蘇小小に会えるというのだろう?

琴の音が突然止んだ。

「ここに来ちゃダメ」蘇小小は慌てて立ち上がり、楊羽の側まで駆け寄った。

楊羽は辺りを見回した。この世界は本当に特別だった。月は薄赤く、半分が黒雲に隠れている。風はなく、まったくの無風状態。山や木々はあるものの、起伏に富んだ風景全体が黒一色で、他の色彩が一切存在しない。

この世界はまるでモノクロームのようだった。

「家にいたやんちゃな二人がどうしても刺激を求めてここに来たがってね。連れてきちゃったんだ。それより、君はなぜここにいる...