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791話

この子は本当に調子に乗り始めたな。

曲がり角を一つ過ぎると、後ろの廊下には完全に人影がなくなっていた。人は多かったが、みんな密集していて、奥に進むほど不気味さが増し、冷たい風がそよいでいた。懐中電灯は漆黒の夜の中で、特に重要な存在となっていた。

そのとき、楊羽は廊下の前方に二つの出口があることに気づいた。一つは下へ、もう一つは上へ続いていた。

楊羽は上へ行く方を選んだ。

ドン、ドン、ドン。

みんなが階段を歩くと、ドンドンドンという音が響いた。

「どうしたの?」林惟妙が振り返って妹に尋ねた。

何がどうしたって?林惟肖は驚いて返した。

「さっきなんで私の肩を触ったの?」林惟妙も不思議そうに...