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776話

今夜も、楊羽は悪夢を見た。あの女だ。黒いコートを纏い、十字架を背負い、全身から背筋も凍るような気配を発する女が、また夢に現れた。

翌日は水曜日。水曜の夜は、通常であれば教会で祈りの会が行われる。

そして今夜、楊羽はどうしても教会へ行かねばならなかった。理由は三つ。

一つ目は、二長老のために祈ることで、これは村長としての楊羽の務めだった。二つ目は、教会に聖なる木があり、それを見ておく必要があった。三つ目は、キリスト教の上級組織が「聖霊」という位の信徒を浴女村に直接派遣し、信徒たちの戦いを導くためだと聞いていたからだ。

上層部はそう言っていたが、楊羽は「聖霊」というのがどのような位なのか、よ...