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706話

「ヤンさん、食事の後はどこへ行くの?」燕子は尋ねた。もちろん今は杨羽とベッドを共にする気はない。女は男に体を許せば、男は途端に自分に興味を失うものだと彼女は分かっていた。逆に、手に入らない女ほど男の興味を引く。だから今の燕子は、ただ彼に少し甘い思いをさせるだけのつもりだった。

杨羽はもちろん従妹のアパートへ行くとは言えないし、山奥へ戻ると言うわけにもいかない。かといってホテルへ行こうとも言わず、代わりに秦さんという地位のある人物を盾にして言った。「向かいの賓如帰ホテルのオーナーは僕の友人でね、今夜はちょっと彼の家に立ち寄るかもしれない」

「秦さんを知ってるの?」燕子は非常に驚いた。この辺り...