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64話

「太平間」と看護師が口を開いた瞬間、楊羽は叫んだ。「なんだって、太平間だって?」

その大声は待合室全体に響き渡り、みんなが振り向いて彼を見つめた。

「何を叫んでるのよ、まだ話が終わってないでしょ!」女性看護師は白い目を向けた。「太平間じゃなくて、入院棟の重症区域にいるわ」

楊羽の青ざめた顔に少し血の気が戻った。ったく、そんな言い方あるかよ?

楊羽は入院棟の重症区域へと足を向け、ようやくあの間抜けな二牛を見つけた。二牛は失血過多で、危険期は脱したものの、まだ意識不明の状態だった。幸いなことに、あの薪刀は動脈まであと数ミリというところで止まっていたから、今まで持ちこたえられたのだ。そうでなけ...