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609話

残されたのは楊羽一人だけ。彼はその場に立ち尽くしたまま呆然としていた。これは一体どんな展開だ?まるでドラマのような展開じゃないか。

この一手は楊羽が夢にも思わなかったものだった。冷蕭雪は楊琳のように自分を冷たく見下すだろうと思っていたのに、結果は真逆だった。冷蕭雪は責任を取れと言い、自分と結婚しろと?

冗談にしては度が過ぎている。

楊羽が結婚したくないわけではない。ただ、冷蕭雪とベッドを共にしたのはあくまで偶然だ。確かに冷蕭雪は美しい、極限まで美しい。だがその分、冷たさも極限まで達している。こんな氷の美人を娶ったら苦労するだけじゃないか。

芸熙のような可愛らしさもなく、いとこの優しさも...