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579話

「雷警部は今日一日、山を登ったり歩き回ったりで、確かに疲れているでしょうね。杨羽と李若蘭もそれを理解していました。

雷警部が去ってからほどなく、暁丹のお母さんが追いかけてきました。

「これは暁丹の日記です。少し目を通したんですが、亡くなる一ヶ月前の内容が書かれています。お二人の役に立つかどうかわかりませんが」暁丹のお母さんは普通のノートを差し出すと、簡単に挨拶をしただけですぐに帰っていきました。

暗がりの中、杨羽はすぐに読むことができませんでしたが、考えてみれば中に何か手掛かりがあるとも思えず、夜、宿に戻ってから読むことにしました。

今は杨羽と李若蘭の二人だけになりました。二人同時に夜空を見上...