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554話

白雪は義姉の視線にさらに居心地悪さを感じていた。

ベッドの下にいる楊羽も、白雪の嘘のうまさに感心せざるを得なかった。本当に恥じらいがないな、こんな事まで平気で言えるなんて。さっきまで自分の上に跨って、上下に動いていたというのに。

「大丈夫なら良かったわ。さあ、寝なさい」大姉は言うと、立ち上がって部屋を出ようとした。

次姉と白雪は同時に安堵のため息をついた。

ベッドの下の楊羽もようやく胸をなでおろした。しかしその時、一匹のネズミがベッドの下を走り抜けた。

この世には何も恐れない人間がいる。天も地も、皇帝も恐れない。だがネズミだけは別だという人間が。

その人間こそ、楊羽だった。

「あ...