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500話

「もういいや、帰ろう」楊羽は懐中電灯をいじりながら、あっちを照らしたり、こっちを照らしたりしていると、本当に人影を見つけてしまった。

それも女性だった。暗闇を歩く女性の姿。

「楊先生、まだお帰りじゃなかったんですね?」出くわした相手は玉大嫂だった。

玉大嫂はもう三十五歳で、娘さんも浴女村で三年生になっていた。楊羽が玉嫂に会ったのは二度目で、一度目もこの道だった。もちろんその時は林依依も一緒だったが、今や林依依は遠くへ去ってしまった。林依依のことを思うと、楊羽は急に鼻の奥がツンとした。

二度目は林依依の誕生日の夕食の時だった。あの頃は王仁もまだいたのに、今はまさに物は同じでも人は違うという状況だ...