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446話

浴女村の夜九時というと、本当に何もすることがない時間帯だ。道には誰一人おらず、ただ微かな風が吹き抜けるだけ。道端の民家の灯りはすでに消えていて、村人たちはこの時間になるともう寝ているか、寝ていなくともすでに布団の中だ。都会のように夜の生活が始まるというわけではない。

楊羽は李書記の家に着くと、家の周りをぐるりと一周してみた。すると、すべての部屋が真っ暗で、みんな寝てしまったようだ。どうやら遅すぎたらしい。

楊羽はいったん帰ろうとしたが、躊躇した。声をかけるべきだろうか?

いや、李若蘭は内緒で来るようにと言っていた。誰にも知られないように。でも今は全員寝ているし、ドアも閉まっている。どうや...