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44話

「そうか、体育の授業を受けた生徒だったんだ」ようやく楊羽は気づいた。中学一年生と二年生のクラスには三十人ほどの生徒がいて、そのうち二十人ほどが女子生徒。たった一度の授業だったから、楊羽には特に印象がなかった。ただ、「山登りのスクワットはお尻を鍛えて、もっと上向きにできるよ」と言ったことだけは覚えていた。まさか郭美がまだ自分のことを覚えているとは思わなかった。

楊羽は少し居心地が悪かった。今日の服装はあまりにも質素で、いつものハンサムな自分のイメージを大きく損ねていたからだ。

「あら、美ちゃんの先生だったのね。さあ、中へどうぞ」村の女性は今まで先生なんて見たことがなかった。彼女はずっと娘に何...