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352話

県の街に戻った頃には、既にバスは運行を終えていた。

やむを得ず、県内で最も安い宿を探すことになった。

「十二人で二部屋ですか?」女将は驚いた表情で陳校長を見つめた。楊羽は思わず頭をかきながら、自分の気まずさを隠した。

「生徒たちをバスケの試合に連れてきたんですが、そんなに現金を持ってきていなくて」陳校長も年配の身で、困り果てた様子だった。

一見したところ、女将は校長が中学生を連れ込んでいるのかと思ったのだろう。女将は後ろにいる質素な生徒たちを見、それから校長という老人を見て、最後に楊羽を一瞥した。どうせ部屋は空いているのだから、善行として協力しようと考えたようだ。

「わかりました。大きな部屋を...