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335話

浴女村で噂の幽霊屋敷だが、確かに真夜中に白い影を見たことはあるものの、一つの白い影で何がわかるというのだろう?しかも、その幽霊屋敷には昼間にも行ったことがあるが、本当に何もなかったのだ。

「そうですか」迷彩服の旅行者は聞いてがっかりした様子だった。「せっかくここまで来たんですし、今夜はもう県城には戻れないし、その幽霊屋敷で野宿するのもいいんじゃないですか」迷彩服の男は振り向いて、もう一人の屈強な大男に言った。

その大柄な男は「ああ」と一言返すと、二人は楊羽が指し示した、噂の浴女村三大恐怖禁地のひとつへと向かって行った。

楊羽は二人の去っていく姿を見ながら、何か違和感を覚え、不吉な予感がし...