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296話

「おまけに偽の薬を飲むのも、巫女に符を焚いて水に溶かして飲ませてもらうのも、効果はたいして変わらないだろう」

「前にもそこに行ったことあるの?」道中、楊羽は李若水に尋ねた。そうでなければ、なぜ自分にそこを勧めるのだろう。

「言っても信じないかもしれないけどね。高校生の時、奇妙な病気にかかったの。病院ではどう治療しても良くならなくて、何の病気かさえ分からなかった。もう自分の命はここまでだと思ったわ。絶望的な状況になった時、父が藁にもすがる思いで、ある老人のアドバイスを聞いて、その巫女のところへ運試しに行ったの。そしたら、本当に治ってしまったのよ」李若水は今となっては軽く話したが、当時は本当に全て...