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267話

その瞬間、漆黒の荒涼とした石の谷は静寂と恐怖に包まれていた。

楊羽は左側に寝て、さらに左を向いて横になった。右を向けば李若蓉と向かい合うことになり、それは確かに気まずい。李若蓉は楊羽が体を横にするのを見ると、自分も同じように横を向いた。

このテントはもともと小さく、二人が寝るのがやっとで、三人となれば完全に身を寄せ合うしかない。

李若蓉は体を横にすると、布団の中でこっそりと自分の太ももを楊羽の太ももに重ねてきた。瞬時に二人の肌が完全に密着し、楊羽は目を見開いたまま、どうしていいか分からなかった。

逃げ場はなく、かといって逃げないとなると、蓉姉さんとこうして太ももを絡ませ合うことになる。...