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26話

媛熙は自分の胸がどきどきと激しく鼓動しているだけを感じ、表羽弟に見つめられて、身を隠すことさえ忘れてしまった。

突然、媛熙がぼうっとしている瞬間、杨羽は唐突に唇を重ね、そのまま表姉の唇を塞いでしまった。媛熙はすぐに目を見開き、我に返って、急いで両手で杨羽を押しのけた。

しかし杨羽はまるで獣のように変貌していた。表姉はあまりにも美しすぎる。この美しさは三番目の従妹とは違う。三番目の従妹はまだ少女で、男女の関係についてまだ多くを知らず、ただからかうだけ、スープを煮込むようにじっくりと時間をかけるだけだ。だが表姉のような強烈な女の魅力を放つ雌性の生き物は、時間をかけすぎると香りが失われてしまう。この...