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24話

「だめよ!いとこがそんなことをするなら、私帰るから」そう言って、芸熙は立ち上がって帰ろうとした。

楊羽がそんなことを許すはずがない。彼女の手を引っ張ったが、力が強すぎたのか、芸熙はバランスを崩し、そのまま楊羽に正面から倒れ込んでしまった。さらに不運なことに、突然の衝撃で楊羽も体勢を崩し、後ろに倒れてしまった。芸熙も一緒に倒れ込み、顔と顔が、そして唇と唇がぴったりと重なってしまった。

こうして、思いがけず二人の唇が封じ合わされた形になった。

芸熙は目を見開いた。その澄んだ純粋な瞳には驚きが浮かんでいた。これが彼女の初キスだったのだ。楊羽もまさかこんなことになるとは思ってもいなかった。芸熙の...