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214話

外を見ると真っ暗で、静寂に包まれていた。芸熙は怖気づいて、ベッドから出る勇気が出なかった。あの変態がどこかの暗がりに潜んでいるような気がして、まるで『エルム街の悪夢』のようだった。

芸熙は楊羽を軽く押して、小声で尋ねた。「いとこ、おしっこしたい」

豚のように熟睡していた楊羽も、従妹に起こされて、ぼそぼそと言った。「したいならしてくればいいじゃん」

「怖いの、一緒に行ってくれない?」ここ数日はトイレに行きたくならなかったのに、今夜に限ってなぜだろう。

「眠いんだよ。外のベランダから二階から下に向かって済ませればいいだろ。どうせ夜だし、誰も見てないよ」楊羽は体を反転させ、また眠ろうとした。...