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1638話

「蠱婆は万能ではない。彼女も単なる陰陽師に過ぎず、穢れたものには対処できるが、生死に関しては、無力なのだ」

そのとき、炎の海の中からゆっくりと黒い影が現れた。二メートル以上の高さで、骸骨の身体だけが残り、胸には剥き出しの赤い心臓があった。

鬼王は焼け死んでいなかった。

「心臓か」杨羽は嫣紅の言葉を思い出した。心臓がある限り、地蔵鬼王は不死身なのだ。

杨羽は急いで駆け寄り、大砲を動かして鬼王に向けた。

鬼王は杨羽を見るや否や飛びかかってきた。骸骨だけになった鬼王の速さは尋常ではなく、一瞬で杨羽の目の前に現れ、一撃を放った。杨羽はその場で吹き飛ばされた。

「網を放て！」阿良が叫んだ。鬼...