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1633話

一方、楊羽と新婦はもう息が限界に達し、顔を真っ赤にしていた。とうとう我慢できずに、息を吐き出した。

「まずい!」楊羽が新婦の手を引いて逃げようとした瞬間、あの鬼王が別の方向へ走り去るのが見えた。どうやらあちらにも人がいるようだった。

楊羽はようやく安堵のため息をついた。

二人は草むらに長い間隠れ、鬼王が戻ってこないことを確認してから、やっと腰を下ろして安心した。

冬の時期、この雑草は完全に枯れ黄色くなっていたが、空気が乾燥し、草むらが密集していたため、風を遮り、下の部分は厚く、少しも寒くなく、むしろ暖かかった。

そのとき、新婦が楊羽の手を引っ張った。

「うん、もう安全だから、戻ろうか」楊...