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1611話

張陽は紅杏林を指差して言った。「問題はこの紅杏の林にあるんだ」

「どういうこと?」楊羽は興味津々で尋ねた。

「俺も噂で聞いただけだから、本当かどうかは分からないんだが」張陽はわざと話を引っ張って言った。「この紅杏からは不思議な香りが漂うらしくて、女がその香りを嗅ぐと発情するんだとさ」

「生まれながらの春薬か?すげえな」楊羽は感心した様子で言った。この紅杏は自分が裏山で採取した媚薬草よりも効き目があるのだろうか。

「じゃあ村の男たちは幸せ者だな」楊羽は羨ましくてたまらない様子だった。

「幸せどころか、誰が女に毎日せがまれて耐えられるものか。若い男たちは怖気づいて逃げ出したし、爺さんたち...