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1607話

二人は意外にも大きな円を描いて回っていた。

最初は方向を間違えただけだと思ったが、何周も逃げ回った後、毎回同じ場所に戻ってくることに気づいた。

「くそっ、あの女幽霊の迷魂陣にかかっちまったな」楊羽は舌打ちし、首元を確認したが、十字架も持っておらず、幽霊対策の道具は何一つなかった。

このままでは、永遠にこの迷魂陣から出られなくなる。

「目を閉じて、感覚だけで歩きましょう。目は私たちを欺いているの」林依依はそれなりの経験があるようだった。

二人は手を繋いで前に進んだ。

歩いているうちに、迷魂陣から抜け出せたのかどうかもわからなくなった。

突然、足元が空に変わり、二人は傾斜した滑り台のような場所に落...