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1603話

「そんな言葉に媛熙と叔母さんは改めて彼を見直した。責任感と覚悟を持つ男性は、女性に特別な安心感を与えるものだ。しかも義父の逃避的な態度との鮮明な対比になっている。」

その言葉は案の定、義父を刺激した。義父はひと筋の冷笑を浮かべ、箸を置きながら言った。「お前はずいぶん聖人ぶってるな。博愛精神か?行きたければ勝手に行けよ。どうせ俺は寝るからな、ふん」

義父は箸を投げ出すと、さっさとタバコを吸い始めた。食事の雰囲気は一気に変わってしまった。

「小羽、本当に行くの?とても危険な事よ」シー叔母さんが心配そうに言った。

「自分たちに起きてないからって無視するわけにはいかないよ。もし本当に自分たちの...