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1569話

先ほどの生きていた人々が、一瞬にして炎の玉となり、牙をむき出しにして舞い踊るように飛び回っていた。

この光景を目の当たりにして、楊羽と李碧はすっかり呆然としてしまった。

楊羽は周りを見回すと、急いで店に駆け込み消火器を手に取り、現場へ向かった。

「行かないで」李碧が彼をぎゅっと抱きとめた。「もう間に合わないわ。それに危険すぎる」

言葉が終わるか終わらないかのうちに、タンクローリー全体が爆発した。

その爆発音は耳をつんざくほどで、衝撃波が押し寄せ、まるですべてを踏み潰すかのような勢いだった。

楊羽も李碧も強烈な爆風に吹き飛ばされ、植え込みに叩きつけられた。楊羽は体が折れるかと思うほどの痛みを感じ...