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1546話

車に乗って五分も経たないうちに降りた。

そこは歓楽街だった。

日が暮れかけ、歓楽街が赤く染まり始めていた。通りの両側には娼婦たちが姿を現し始め、まさに妖艶そのものだった。

しかし、彼らが通り過ぎるのを見ると、彼女たちは客引きするどころか、むしろ丁寧に挨拶をした。「ヘイ兄さん、こんにちは。虎兄貴によろしく伝えてね」

そう言いながら、彼女たちは杨羽にちらりと視線を送り、色っぽく誘うような仕草を見せた。

杨羽はふと小さな夢を抱いた。この通りが自分のものだったらどんなにいいだろう?もしかしたら、この通りの女たちも自分のものになるかもしれない。

そのとき、ある高級クラブの入り口に到着した。「雲仙閣」とい...