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14話

学校は三谷の山腹に位置しており、村の半分を通り抜け、山道を登っていかなければならなかった。

芸熙は賢かった。彼女は楊羽を大通りに連れて行かず、いとこの端正な顔立ちに村の少女たちや若い奥さんたちが誘惑してくるだろうことを知っていた。そうなれば、このいとこが誰の腕の中に飛び込むか分からない。だから彼女は楊羽を前山のみかん園を通って連れて行った。少し遠回りになるが、確実に人に会わずに済み、いとことの時間をもっと過ごせるチャンスになる。

みかん園を過ぎると、学校が目の前に現れた。

この学校は本当に古びていた。教室棟が一つだけで、それもたった二階建て。教室棟の後ろにもう一棟あり、人が住んでいるようだ...