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1302話

表では太鼓の音が鳴り響き、賑やかな雰囲気が漂っていた。おそらく競技の時間が始まったのだろう。

だがこの古い家の中では、一組の男女が互いの呼吸と鼓動しか聞こえない空間にいた。外の世界との鮮明な対比を成していた。

紫穎は楊羽の首に腕を回し、彼を見つめていた。楊羽も彼女を見つめ返しながら、両手を紫穎の胸元へと伸ばし、シャツのボタンを一つずつ外し始めた。紫穎は自分のシャツのボタンが次々と外されていくのを見つめ、楊羽が手を広げると、中が露わになった。

あまりに美しく、楊羽の心臓はドキドキと激しく脈打ち、飛び出しそうなほどだった。

紫穎は見られて顔を赤らめ、思わず楊羽に抱きつき、頭を彼の背中に預けた。楊羽...