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1217話

その扉は半開きになっていて、薪小屋はその中にあった。普段はまったく人が来ないような場所だ。

「この中庭はもう荒れ果てていて、私も何年も来ていないんだ。扉は鍵がかかっているはずなんだが」呉坤が鍵がかかっていると言いかけたところで、実際には鍵がかかっていないことに気づいた。

「扉に鍵がかかっているって言いませんでしたか?」楊羽は目ざとく、すぐにそれに気づいた。

「ああ、変だな、誰が開けたんだろう?」呉坤も不思議そうな顔をした。二人が扉を押し開けると、楊羽の目に飛び込んできたのは一面の雑草で、確かに片側に薪小屋があった。

「この雑草はずっと刈っていなかったけど、こんなに高く伸びるとは思わなか...