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1195話

「誰かいますか?」楊羽が声を掛けると、一匹の犬が飛び出してきて、二人に向かって「ワンワン」と吠えた。

「蝶々と蜜蜂がたくさんいるわね」燕霊は周囲を観察し、花壇に多くの蝶と蜜蜂を見つけ、さらに蜂の巣まで発見した。

「養蜂家のようだな」楊羽が返した。

話している間に、トウモロコシ畑から一人の人物が現れた。全身を布で隙間なく包み、手には二本の瓶を持っている。おそらく蜂蜜だろう。

「こんにちは、周建徳医師を探しているのですが、いらっしゃいますか?」楊羽が尋ねた。

その人は答えず、外套を脱いだ。なかなか元気そうな老人だった。

「私だが、もう退職して医者はやめてる」老人は二人を一瞥して言った。...